どのような資格?
・第一種電気主任技術者免状
すべての電気工作物 の保安の監督が可能 となる資格です。
詳細は以下の解説を参照してください。
取得までの最短勉強時間は?
次のとおり、受験者の経歴により2通りに分類した上で、筆者の独断と偏見による合格までに必要な最短勉強時間は、
Aさん:大学で電気工学を専攻し、強電系の知識(四端子定数、対称座標法、過渡安定度・定態安定度、保護継電器など)があり、強電系の業務(電力会社、重電メーカ、エンジニアリング会社、特高電気を扱う施工会社、など)に就業している。
→最短80時間
Bさん:第二種合格者だが第一種レベルの知識はない
→最短100時間
というところでしょうか。これぐらいは最低でも勉強時間が必要だ、あるいはこれぐらいでも合格する可能性が十分ある、という時間の目安です。
勉強方法は?
以下では、Aさん、Bさんにそれぞれ勉強方法を提案します。
<Aさんに提案する勉強方法>
1次試験も2次試験も、参考書は購入せずに、いきなり過去問から着手すればOKです。
(いきなり過去問から着手することのメリットはこちらの記事を参照してください)
電験一種の難しさは、電気の知識というよりはむしろ要求される数学力にあります。あなたが大学で工学部や理学部を卒業したのであれば、学生時代に習ったことの復習にすぎません。その難しさは既に学生時代にクリア済みなのです。取り立てて新たな勉強は不要です。
過去問を解く→分からない問題や間違えた問題は解説を読み、理解・暗記する→過去問を解く
のサイクルを繰り返してください。
1次試験は過去問10年分を完全回答できるよう目指してください。このとき、二種の過去問も同時に10年分解くことがコツです。出題にも流行り廃りがありますので、一種の過去問を20年分解くよりも、一種の過去問を10年分&二種の過去問を10年分解いたほうが効果的です。
1次試験の勉強をする上で、もう一つコツがあります。電力科目は問題文を含めて丸暗記するぐらいのつもりで勉強をすることです。これは二次試験の「電力・管理」科目の論説対策にもなります。1次試験の問題文が2次試験の論説の模範回答になる、というイメージです。
筆者は、第1種を過去7年分、第2種を過去7年分解きました。本当はそれぞれ10年分ずつ解きたかったのですが、時間切れにより7年分しか解けない状態で本番を迎えました。そのため、理論と法規は合格最低点スレスレでの合格でした笑
2次試験は過去問15年分を完全回答できるように目指してください。
計算問題に関しては過去15年分が解けるようになれば、何とか合格最低点には到達するのではないでしょうか。
論説問題は出題範囲も広く、残念ながら過去何年分解けば大丈夫ということはありません。何が出題されるかを予想するのも困難です。去年火力系の問題が出題されたから今年は水力系、ぐらいを予想するのは可能ですが、それでも依然として出題範囲は膨大です。
とにかく、計算問題にターゲットを絞って勉強するのが吉です。本番ではまず計算問題を解き、余った時間で論説問題を解く、ぐらいでよいかと思います。ただし、水力系の問題が出題されると予想される年を受験する時は、水力系の論説問題はパターンが少ないのでぜひ得点源にしておきましょう。
お勧めの過去問題集
筆者が使用した参考書をいくつか列挙しておきます。
*上記は電力科目だけを勉強するのがオススメです。二次の論説対策にもなるからです。理論、機械、法規はやる必要ありません。これだけの量をこなす必要性はないですし、そもそも詳細な解説がないので、理論、機械、法規の勉強には向いていないのです。電力科目は、前述のとおり、”問題文ごと暗記する”つもり勉強しましょう。
<Bさんに提案する勉強法>
まずは二次試験の「電力・管理」科目の過去問(の問題と解答)を15年分見てください。そして自分が聞いたことがない項目(四端子定数、対称座標法、反射など電験二種ではほとんど問われないもの)をピックアップしてください。ピックアップした各項目をググって、理解していきましょう。
どうしてもよく理解できないものは「なんだかよくわからないけど式だけ覚える。意味は分からないけど、代入と式変形だけはできるようになろう」といった割り切りも大切です。理解していることと問題を解けることは別次元ですので、電験一種レベルではこのような割り切りも大切です。
後はAさんの勉強法と同じです。 前段の<Aさんに提案する勉強法>を参照してください。
第一種のワンポイントアドバイス!
筆者が実際に電験一種の受験を通して学んだことをアドバイスします。大したアドバイスではありませんが、
- 超難関資格であるというのは昭和の幻想である!令和なら努力すれば合格します!
- 一種の過去問を解くときには、二種の過去問も同時に解いて出題傾向をつかもう!
- 計算問題と論説問題の勉強比率は7:3で!
時代は令和になり、電験一種は努力すれば報われる試験となりました。超難関試験ではありますが、その分合格したときの喜びはひとしおです。日本全国どこでも通用する、一生モノの資格ですので、ぜひ諦めずに試験勉強を頑張ってください!