技術士 総監部門の口頭試験で聞かれそうなこと
本ページでは、総監部門の口頭試験で聞かれそうなこととその回答を筆者が適当に予想してみました。正直なところ、、、
総監部門の口頭試験は何が聞かれるか全く予想できない!(笑)( ̄▽ ̄)
、、、筆者も本番では、事前の想定質問は1問も問われなかった(涙)orz
という苦い思い出がありますので、お役に立てるかわかりませんが、よければ参考にしてください。
なお、回答例の一部は、あくまでも筆者の独断と偏見によります。くれぐれも鵜呑みにせず、そういう回答もありかな?ぐらいのスタンスでご参照ください。
総監部門の口頭試験 ノックその1〜その10
Q1:「総合技術監理」とは、どのような技術(意味)ですか?分かりやすく簡単に説明してください。
「複雑かつ巨大な」業務を遂行する上で、「相反する多くの要求事項」の「バランス」をとり、「落とし所や妥協点をみつける」技術、言い換えれば「最適点を見つける」技術だと認識しています。「一つの視点にとらわれず」、「俯瞰的な」「複数の視点」で技術を管理するという意味とも言えます。
Q2:ではなぜQ1のような回答のように、「落とし所や妥協点」を見つける技術が必要なのですか?
「社会が受容可能な製品やサービスを提供する」ことを考えた時、「なんでもかんでも理想の状態」というのは基本的には実現できません。
一方の効用を増加させたとき、もう一方の効用が減少するという「トレードオフの関係」があるからです。例えば、品質とコストのバランスがよい例です。
プロダクトアウトするには、現実的に実現可能なレベルへと「落とし込むことや妥協すること」が必須となります。
Q3:総合技術管理が必要とされる背景は何ですか?
科学技術の巨大化・総合化・複雑化が進展しており、その発達を個別の技術開発や技術改善のみによって推進することは難しい状況にあります。
そのため、業務全般を見渡した府轍的な把握・分析に基づいて、総合的に管理する技術や技術者が必要である。これが総合技術管理が必要とされる背景です。
Q4:現在はどのような業務をしていますか? *注意!一般部門のように専門技術者としての回答はしないこと!
現在、私は◯◯という業務を担当しています。
「経済性管理の面」からは、ベンダーや社内の関連部署に対する品質管理や原価管理、工程管理を担当しています。
「情報管理の面」からは、エンドユーザのニーズや、今後の需要の推移といった情報の収集と整理を実施し、基本的な設備計画に役立てています。
「人的資源管理の面」からは、◯人の若手に対して、特高高圧受変電設備の設計ノウハウを教育しています。
「社会環境の面」からは、◯◯に関する騒音や振動の影響を評価しています。
「安全性管理の面」からは、作業員の安全管理といった安全性管理も実施します。
Q5;あなたの会社での役割は?
私は◯◯グループの「リーダーとしての立場から」、プ ロジェクトの品質・コスト・工程管理を中心として、社内の設計情報の収集と整理、現場の安全管理まで、
「総合的な幅広い管理の視点」で業務を推進する役割があります。
Q6;あなたの業務における「反省点」はありますか?
私が初めて自分で◯◯を設計した案件の話をします。
「経済性管理の面」から、新入社員の私はコスト削減を最大の課題であると考えて、◯◯を設計するときに、◯◯を過去案件よりも小さく設計しました。
コストを極限まで抑えようとしたのです。ところが、実際に工場で製造を実施する段階になると、◯◯が小さいことで、現場作業員に無理な体勢での作業が発生し、
作業員に腰痛を多発させてしまいました。これは「安全性管理の面」から大いに問題がありました。
一つの管理の視点にとらわれて、視野が狭かったから、このような事象を招いてしまったと反省しています。
それ以降は、必ず「複数の管理の視点」から「業務を俯瞰」するように留意しています。
Q7:工程管理はどのようにしましたか?
私の担当した案件では、設計メンバーが約10名おり、設計期間は約2年でした。
工程を死守するために、まず、設計期間を数十のマイルストーンに分割して「クリティカルパス」を押さえました。
他部署の工程も照合し、プロジェクト全体の工程を遵守するために「パスを複線化」したりしました。
逆に、私のグループが早く設計を完了しても、全体の工期の短縮につながらないものは、思い切って
後ろ倒しをするなどして、「労働環境の改善」にも配慮しました。
また、工程が逼迫した時には、調達資材の立会検査を全数検査から抜き取り検査にする判断を実施するなど、品質管理との工程管理とのバランスを調整しました。
Q8:体験した業務での失敗例を教えてください。
私が◯◯の業務を担当したときの失敗例を申し上げます。「経済性管理」の観点で、クライアントへの品質保証を重視するあまり、製造品の全数チェックを指示しました。
全数チェックをすることで、クライアントへの納入が遅れてしまい、工程管理上、重大な問題となった。
改善策として、まずクライアントには、抜き取り検査で問題ないことをQC7つ道具などを用いた技術的レポートなどを駆使して納得してもらいました。
以降、抜き取り検査に変更することで、工程を遵守しました。
Q9:今までの業務で悩んだことや苦労したことはありますか?
はい、「人的資源管理」と「経済性管理」のバランスには悩みました。
私は、「人的資源管理」の面から、若手や後輩に効果的な教育を実施したい、少しでも早く成長してほしいという意識を強く持っていました。そのため、ルーチンワークでなく、なるべく新規の業務を任せるようにしています。後輩からは感謝されることも多く、離職率も私の部がもっとも低いのですが、手取り足取り指導しなければいけないことも多いですし、部署全体で考えれば生産性が低下しています。すなわち「経済性の管理」の面が犠牲になっているのです。このバランスをどのようにとるかは、今も悩んでいます。
Q10:受験の動機は何でしょうか?
純粋な管理技術者からプロジェクト全体を統括するプロジェクトマネージャーへと業務領域を拡大したいからです。
プロジェクトマネジャーには、客観的にプロジェクト全体を俯瞰し、管理できる能力が必須です。
その能力を備えていることをこの資格を取得すること効果的にアピールでき、社内やクライアントの信用を獲得することができます。
このようにしてプロマネとなり、業務領域を拡大し、科学技術の発展に貢献したいと考えました。
以上!